マイナンバー制度について その2(制度における留意点・導入スケジュール)
2015.05今回もマイナンバー制について、その制度の留意点と今後のスケジュール関係について解説します。
1.マイナンバー制の留意点
(1)目的以外の利用の禁止
マイナンバーの利用範囲は、社会保障・税及び災害対策に限定されています。会社がこれら特定の事務(社会保険の手続きや源泉徴収票の作成など)以外にマイナンバーを利用することはできません。マイナンバーを社員番号として使用することなどもできません。
(2)マイナンバーの提供を求めることの制限
会社は、社会保障及び税の手続書類の作成事務を行う必要があるなど法律で限定的に認められた場合に限って、マイナンバーやマイナンバーを含んだ個人情報(「特定個人情報」と言います)の提供を求めることができます。これらの事務以外に例えば、採用内定者から入社前にマイナンバーの提供を求めることなどはできません。
(3)マイナンバー取得時の本人確認
会社が、社員からマイナンバーや特定個人情報の提供を受ける際には、個人番号通知カードと免許証等で本人確認をする必要があります。
(4)マイナンバーの保管の制限と廃棄
法律で限定的に認められた場合を除き、マイナンバー及び特定個人情報は保管することができません。社会保障や税の手続き事務が済んだ後、所管法令で定められた保存年限(例えば社会保険の手続き書類は2年)を経過したものについては、特定個人情報を速やかに廃棄又は削除しなければなりません。
2.制度導入の予定
制度導入の予定
(1)国民周知(TVCM等) (2)個人番号通知カードによる通知開始
(3)雇用保険手続きでマイナンバー記載開始
(4)法定調書・年末調整関係書類・所得税など税などの関係書類にマイナンバーの記載開始
(5)社会保険手続きでマイナンバー記載開始 (6)マイナ・ポータル運用開始。
民間企業の準備
(1)社員への周知 (2)社内でのマイナンバー取り扱いの基本方針策定、ルール化(社内規程作成)
(3)社員への研修・教育 (4)組織、人的安全管理対応 (5)技術的安全管理対応
(6)マイナンバーの収集、取得
(7)雇用保険、税に関する手続書類へのマイナンバー及び法人番号記載開始
(8)社会保険手続書類へのマイナンバー及び法人番号記載開始
次回は、マイナンバー制開始にあたり会社が行うべき準備を具体的に解説します。