ストレスチェックについて(その1)と最低賃金改定について
2015.10今回は、労働安全衛生法改正により平成27年12月1日より始まるストレスチェックについて解説します。また10月1日より最低賃金が改定されますので、同封の地域別最低賃金表をご確認ください。
1.ストレスチェック制度
(1) ストレスチェック制度とは?
ストレスチェック制度とは、定期的に労働者のストレス状況について検査を行い、結果を本人に通知することで、自らのストレス度合についての認識を促し、メンタルヘルス不全の兆候を早期に発見し、医師などによる面談指導によりメンタルヘルス不全の未然防止を目的とするものです。
(2) ストレスチェックの定義と方法
ストレスチェックとは、調査票(ストレスに関するアンケートのようなもの)を用いて、次の3つの項目により労働者のストレス点数化して評価する検査です。
- 職場における心理的な負荷の原因に関する項目
- 心理的負荷による心身の自覚症状に関する項目
- 職場における他の労働者による支援に関する項目
2.ストレスチェックの対象
(1) ストレスチェックが義務となる事業者
常時使用する労働者(パート・アルバイトを含む)が50人以上の事業者が対象になります。50人未満の事業者については、当分の間努力義務となります。
(2) ストレスチェックの対象労働者
ストレスチェックを受けさせる労働者は、つぎのいずれの要件も満たす労働者です。
- 無期雇用または、有期雇用で雇用契約期間が1年以上、または、契約更新などにより1年以上雇用されている者、 もしくは、1年以上雇用される見込みの者
- 週の労働時間が、同種の業務に従事する正規の労働者の所定労働時間の3/4以上であること
※労働者には、健康診断のようにストレスチェックの受検は義務付けられていませんが、特別な理由がない限り、
すべての労働者がストレスチェックを受けることが望ましいとされています。
※休業中の労働者については、ストレスチェックを実施しなくても差し支えないとされています。
※事業者がストレスチェック受検者のリストを、実施者(医師、保健師など)から提供してもらう場合に、
当該労働者から同意をとる必要はありません。
3.ストレスチェックの費用負担
(1) ストレスチェック受検費用、面談指導費用の負担
定期健康診断などと同様、法令上、事業者にストレスチェック及び面談指導の実施が義務付けられていますので、それらに要する費用は事業者が負担することになります。
(2) ストレスチェック受検時、面談指導時の賃金
ストレスチェックや面談指導を受ける時間の賃金については、当然に事業者が支給しなければならないものではなく、労使が協議して決めてよいことになっていますが、労働者の健康確保促進の観点から、賃金を支払うことが望ましいとされています。これも定期健康診断などと同様です。
4.ストレスチェックの実施者
ストレスチェックの実施者は、医師、保健師、必要な研修を終了した看護師、精神保健福祉士です。