社会保険労務士法人 トレイン

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算定基礎届及び算定基礎調査

2017.07

今年も社会保険(健康保険・厚生年金保険)の算定基礎届の時季となりました。今回は、算定基礎届及び届出の際に行われる算定基礎調査についてお知らせします。

算定基礎届とは

1.算定基礎届とは?

算定基礎届とは、毎年、社会保険に加入している被保険者の4、5、6月支給分の給与の平均額を健保組合、年金事務所に届出るものです。届出た平均額をもとに、その年の9月分からの社会保険料を計算する標準報酬月額が決定されます。給与額とは通勤手当等を含めた総支給額となりますが、一定の過去の給与の遡及調整分や6カ月分の通勤手当、大入り袋等の給与や手当などは、算定基礎届の給与額から除外、または、比例按分することができます。

2.算定基礎届総括表、附表

算定基礎届を提出する際には、総括表及び附表を一緒に提出します。総括表は、7月1日現在の被保険者数を記載するほか、算定基礎届の対象者の人数や昇級などにより7、8,9月に標準報酬月額変更に該当し、算定基礎届から除外する被保険者の人数や氏名などを記載するほか、会社が支給する給与、手当の種類、給与締日・支払日や賞与支給月の変更の有無などを申告します。附表では、給与を支給している者で社会保険の被保険者となっていないパートタイマーや非常勤役員などの人数や労働時間、派遣労働者や請負、業務委託者の有無、人数などを申告します。

3.算定基礎届の提出期限、提出方法

算定基礎届の提出期限は、法令で毎年7月10日となっています。ただし、実務上、協会けんぽや年金事務所に対しては、遅くとも7月末までに提出すれば未提出の督促を受けることはありません。ただし、算定調査の対象になっている企業や総合型健保組合に加入している企業では、調査日時や算定基礎届提出日時が指定されていますので注意が必要です。提出方法は、通常、郵送により提出しますが、算定調査対象や総合型健保組合加入の企業の場合は、指定日時に持参します。協会けんぽ加入の企業は、健康保険分と厚生年金分を一括で提出することができます。

4.算定基礎届を提出しないと

算定基礎届を期限までに提出しないと、健保組合や年金事務所から督促を受けます。この督促も無視をしていると9月からの標準報酬月額を各行政の職権にて決定されてしまい、実際の給与よりも9月からの標準報酬月額が高くなる恐れがあります。また、総合調査の対象となることもありますので、必ず提出しましょう。

算定基礎調査

1.算定基礎調査とは?

算定基礎調査とは、算定基礎届の提出と併せて行われる年金事務所や健保組合の調査のことです。算定基礎調査は、4年ごとに1回必ずどの企業でも行われることになっており、対象の企業には、算定基礎届の封書とは別に調査の日時が郵便で通知されます。総合型健保組合においては、毎年、算定調査を行うケースがほとんどです。

2.調査の内容、何を調べるか

算定基礎調査は、総合調査の簡易版調査で、次のような内容を調べられます。

  1. パートタイマー等で社会保険に適用すべき従業員を適用しているか。未適用者の人数と勤務状況確認。
  2. 算定基礎届けによる4月、5月、6月の賃金の申告が適正か。賃金台帳の確認
  3. 固定的賃金の変動による月額変更を適正に行い、保険料に反映させているか。
    賃金台帳、直近1年の届出確認。

3.算定基礎調査を受けないと

算定基礎調査を無視すると、算定基礎届を提出できないことはもとより、より内容が厳しい総合調査の対象となりますので、必ず調査を受けるようにしましょう。調査対象の通知が届いていることを見落として調査を受けず、あとで総合調査が入るケースも多いので、調査対象の通知が来ている場合、速やかに当方にご連絡ください。