職業安定法改正情報と年金事務所のマイナンバー確認について
2017.12今年も残り1か月です。年末に向けての繁忙期は、思いがけない処理の誤りが生じがちです。体調管理に留意して乗り切りたいものです。さて、現在、求人募集を行っている企業も多いと思いますが、来年1月に職業安定法が改正され、取扱いが変更されます。今月は、その内容と年金事務所からのマイナンバーの確認についてお伝えします。
Ⅰ 職業安定法改正情報
労働者の募集の際に最低限明示しなければならない労働条件
改正により、以下の3点が追加。
- 求人企業の氏名又は名称
- 試用期間(試用期間の有無、試用期間の定めがある場合はその期間、業務内容)
- 派遣労働者として雇用する場合はその旨
この改正に合わせて労働時間に関して、裁量労働制を採用している場合は、その旨の記載が必要となり、固定残業代が支払われる場合には、算定基礎時間・金額・固定時間を超えた場合の割増額、固定残業代を除いた基本給の額等の明示が必要となります。
※固定残業代を巡っては、何時間分の時間外手当なのかを従業員が把握していない場合や、固定残業代の時間を超えた場合でも割増賃金が支払われておらず未払い賃金請求トラブルの原因となっていますので、募集の際に必ず書面交付で明示するようにしてください。
求人の際の労働条件に変更が生じた場合
求人の際の労働条件に変更があった場合、雇入れる前に労働条件変更の明示をします。変更明示の方法ですが、当初の明示と変更後の内容を対照できる書面を交付する方法が一番望ましいとされています。労働条件通知書において変更事項に下線を引いたり着色したりする方法なども可能です。
例えば、求人票が一定の範囲内で特定された労働条件を明示する場合
当初:基本給20万円~25万円/月 ⇒ 21万円/月
変更の明示が適切に行われていない場合や当初の明示が不適切だった場合(虚偽の内容や明示が不十分な場合)は改善命令や企業名公表などの罰則の対象となる場合がありますので、ご注意ください。
職業紹介事業者に関する情報提供
求職者と求人者が職業紹介事業者を適正に選択できるよう、職業紹介の実績など下記の事項の情報提供が義務付けられます。(平成30年1月1日施行です。まだ、この情報は掲載されておりません。)
- 職業紹介者事業者が紹介し就職した人数・職業紹介事業者が就職を紹介し無期雇用となった就職者数
- 職業紹介事業者が紹介した無期雇用就職者のうち6カ月以内に離職者数、紹介した就職者が早期に退職したかどうか判明しなかった人数
- 手数料に関する事項
この情報は、厚生労働省が提供する「人材サービス情報サイト」で確認することができます。
現在、職業紹介事業者の許可を持っている場合は、11月最終週に「人材サービス情報サイト」のID・パスワードが厚生労働省より送付されますので、ログインの際にご使用ください。また、来年1月中に平成28年の事業報告書を基に職業紹介事業者が紹介した就職者数の登録が必要です。
Ⅱ 年金事務所のマイナンバー確認について
今後マイナンバーを活用して氏名変更や住所変更の届出の省略や添付書類の省略ができるようにマイナンバーの確認作業を行っているところです。日本年金機構の住所と住民票の住所の相違などの理由でマイナンバーが確認できていない被保険者及び被扶養者がいる場合、12月中旬以降に「マイナンバー確認リスト」が会社に送付される予定です。該当者がいない場合は、特に確認は求められません。マイナンバーは特定個人情報です。取扱いには十分な注意をお願いいたします。