社会保障と税の一体改革について
2013.01今年は、社会保障と税の一体改革における消費税率引き上げ法案の可決に伴い、社会保障に関しても各種法案が成立し、または継続審議となりました。
平成24年の最後にその主な内容とスケジュールを解説します。
一体改革となっていますので、スケジュールについては、消費税引き上げのタイミングにあわせることとなっております。
社会保障に関して法案が成立した主な項目
(1) 遺族基礎年金を父子家庭に支給
実施予定時期:消費税率5%⇒8%引き上げのタイミング 2014.4予定
内容:今まで子のある母にのみ支給されていた遺族基礎年金を父子家庭にも支給することとするもの
(2)産前産後の休業中の社会保険料を免除
実施予定時期:公布(2012.8から2年以内)
内容:育児休業期間中について実施されていた社会保険料(本人・事業主負担分とも)の免除のうち厚生年金保険料について、産前産後の休業中にも拡大するもの
(3) 産前産後休業明けの短時間勤務等による給与額低下における標準報酬月額の改定特例の適用
実施予定時期:公布(2012.8から2年以内)
内容:育児休業明けに短時間勤務等を適用して給与額が減少したときに認められていた標準報酬月額の改定特例が産前産後休業明けにも適用されます。休業明けに固定的な給与に限らず、給与額の減少があり標準報酬月額に1等級でも変更があれば、復帰した月を含め4ヶ月目から標準報酬月額の改定ができるようになります。この特例は健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料に適用されます。
(4) 年金受給資格期間の短縮
実施予定時期:消費税率8%⇒10%引き上げのタイミング 2015.10予定
内容:老齢年金受給に必要な年金加入期間(国民年金+厚生年金)を25年から10年に短縮するもの
パート労働者への厚生年金の適用拡大等および標準報酬月額(厚生年金)の等級変更
実施予定時期:2016.10予定
内容:適用除外であったパートタイマーの一部が新たに適用対象となります。新たに対象となるのは、次に要件に該当するパートタイマーです。また適用対象の拡大に伴い標準報酬月額の等級が変更され、93,000円未満の等級が新設されます。
新たに適用対象となるパートタイマーは次の全てを満たすものです。
- 所定労働時間が週20時間以上で、かつ月の賃金が88,000円以上
- 勤務期間1年以上
- 昼間の学生以外の者
- 勤務する企業の規模(正社員数)が501人以上