平成27年4月制度改正の障害者雇用納付金制度について
2015.02今回は、障害者雇用率と平成27年4月1日に制度の一部が変更される障害雇用納付金制度について解説します。
1.障害者雇用率制度とは?
法定障害者雇用率制度の概要は、次のとおりです。
(1)障害者雇用率制度
企業において身体および知的障害者について、一般労働者と同じ水準において常用労働者となりえる機会を与えるために、常用労働者数における障害者の割合(障害者雇用率)を設定し、事業主等に障害者雇用率の達成義務を課すことにより障害者雇用を促し、それを保障しようという制度です。
精神障害者については、雇用義務の対象ではありませんが、実雇用率の算定にあたり、障害者数に算入することができます。
(2)法定障害者雇用率 (平成25年4月1日改定)
企業区分 | 法定障害者雇用率 | |
---|---|---|
民間企業 | 一般民間企業 | 2.0% |
特殊法人等 | 2.3% | |
国及び地方公共団体 | 国、地方公共団体 | 2.3% |
都道府県等の教育委員会 | 2.2% |
(3)雇用する障害者のカウントの仕方
※短時間労働者は、1人を0.5人としてカウントします。
※重度障害者は1人を2人としてカウントします。ただし短時間労働者である重度障害者は1人としてカウントする。
2.障害者雇用納付金制度とは?
障害者雇用率を達成している一定規模の企業に、障害者雇用調整金を支給し、法定障害者雇用率を達成していない一定規模の企業からは、障害者雇用納付金を徴収し、障害者雇用の取組みにおける企業間の費用負担の不公平を是正するとともに、障害者雇用率の達成を促し、障害者雇用を確保するための制度です。
<障害者雇用調整金>
常用労働者数が200人を超える事業主で、法定障害者雇用率を超えて雇用している場合に、その一定数を超えて雇用している障害者数に27,000円を乗じた額が障害者雇用調整金として支給されます。
<障害者雇用納付金>
常用労働者数が200人を超える事業主で、法定障害者雇用率を達成していない場合に、その不足する障害者数に応じ、1人につき50,000円の障害者納付金を納付しなければならない。(ただし
〇常時雇用する労働者が200人を超え300人以下の事業主は、平成27年6月30日まで、
〇常時雇用する労働者が100人を超え200人以下の事業主は、平成32年3月31日までは、納付金が1人50,000円から40,000円へ減額されます。)
<報奨金>
常用労働者数が、200人以下の事業主で、年度のおける雇用障害者数が一定数を超えている事業主に対し、その申請に基づき一定数を超えている障害者数に21,000円を乗じた額の報奨金が支給されます。
3.障害者雇用納付金制度の改正点
平成27年4月1日より、上記2の200人が100人に、300人が200人に改正され、制度の対象企業が拡大します。