社会保険労務士法人 トレイン

人事・労務便り
人事・労務のポイント

2018年以降の人事・労務管理の注目点とそのポイント 第3回

2018.03

今月も2018年以降の人事・労務管理上の目玉である「働き方改革」への対応として早稲田大学の小倉一哉教授が2010年に実施した長時間労働に関する調査をご紹介し、長時間労働への対応の一助にしていただければと思います。

残業をする理由

残業理由 非管理職 管理職 残業理由 非管理職 管理職
仕事の量が多いから 63.9% 62.5% 仕事の性格上、時間外にしかできないから 25.5% 26.0%
予定外の仕事が突発的に入るから 31.2% 36.0% 仕事の締切りや納期にゆとりがないから 25.1% 23.0%
人手が足りないから 30.2% 23.7% 自分の仕事をきちんと仕上げたいから 24.1% 30.9%

2.残業多い社員・少ない社員の仕事の特性

【残業が多い社員】
  1. 取引先や顧客の対応が多い
  2. 社内の他部門との連携・調整が多い
  3. 企画・判断を求められる仕事が多い
  4. 会議や打ち合わせが多い
【残業が少ない社員】
  1. 仕事の範囲や目標が明確
  2. 自分で仕事の手順やペースを変えられる
  3. 一人でこなせる仕事が多い
  4. 会社以外の場所でもできる仕事である

3.残業の原因となる上司の特性

  1. 必要以上に資料作成を指示する
  2. 必要以上に会議が多い
  3. 指示に計画性がない
  4. 指示が明確でない
  5. プレーヤー度の高い管理職
  1. 就業直前に指示をする
  2. 残業前提で仕事を考える
  3. 社員間の仕事の平準化を行っていない
  4. 残業を評価する
  5. 部下が多い、花形部門

4.残業の多い社員の特性

  1. 出世志向が強い
  2. 過去の人事評価が高い
  3. 専門職志向が強い
  4. 協調性がある
  5. 残業することが前提
  1. 仕事への責任感が強い
  2. 上司が帰るまで帰らない
  3. 頼まれると断れない
  4. 仕事がないと不安になる
  5. 自己評価が高い

5.長時間労働への対策とその効果

【効果が見受けられる対策】
  1. ノー残業デー
  2. 就業の呼びかけ・強制消灯
  3. 長時間労働社員やその上司への注意・助言
  4. 会議や打ち合わせが多い
【効果があまり見受けられない対策】
  1. IDカード等による労働時間の管理・把握
  2. 残業時間の見える化対応
  3. 産業医等によるカウンセリング
  4. 管理職の出退勤時間フリー制度