2018年以降の人事・労務管理の注目点とそのポイント 第2回
2018.02今月も2018年以降の人事・労務管理上の注目ポイントをコンパクトに解説します。
1.働き方改革:副業・兼業について
働き方改革の1つとして副業や兼業の解禁(いわゆるダブルワーク)について厚生労働省の「柔軟な働き方に関する検討会」において副業・兼業を促進するためのガイドライン(案)及びモデル規程(案)が公開されました。副業・兼業については、労働者と企業に下記のようなメリットとデメリットがあることに留意する必要がありますが、今後、ダブルワーク制度を導入する企業は、増えてくると予想されます。
メリット | デメリット | |
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労働者 |
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企業 |
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企業としては、ダブルワーク社員を、正社員や契約社員、パートタイマーなどとは別の雇用形態として、その制度設計を行う必要が出てくると考えます。その際は、制度設計と合せて上記のメリットを活かし、デメリットを解消するための規定の整備の必要性も重要なポイントになると思います。
2.所得税法改正により、健康保険の被扶養者異動届の取扱いが変更となります。
所得税法が改正となり、年収1000万円までの従業員について扶養配偶者の収入要件が103万から150万円に引き上げられました。これに対し、健康保険の配偶者の扶養要件に変更はありません。収入要件原則年間収入見込み額が130万円(60歳以上の従業員または障害年金を受給する従業員は180万円)未満となります。今まで健康保険の扶養配偶者の資格取得手続きにおいて、税制上の扶養配偶者≦健康保険の扶養配偶者であったので、協会けんぽ加入の企業においては、収入要件の確認は、事業主が従業員から提出された扶養控除等申告書を確認したことにより、その他の所得・収入証明の書類の添付が省略されていましたが、今後は所得。収入証明の書類の添付が必要になる見込みです。
また、被保険者の合計所得が1,000万円を超える場合は、所得税法上の控除対象配偶者となりません、が健康保険については被保険者の収入上限要件はありません。
3.平成30年度 雇用保険料率について
平成30年度の雇用保険料率は、平成29年度の料率を据え置きで平成30年4月1日から適用となります。
事業の種類 | 被保険者負担率 | 事業主負担率 | 合計保険料 |
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一般の事業 | 3/1000 | 6/1000 | 9/1000 |
農林水産・清酒製造の事業 | 4/1000 | 7/1000 | 11/1000 |
建設の事業 | 4/1000 | 8/1000 | 12/1000 |