社会保険労務士法人 トレイン

人事・労務便り
人事・労務のポイント

健康経営ご存じですか?

2022.6

今月は、今注目の健康経営について取り上げます。健康経営とは、従業員の健康管理や健康増進の取り組みを戦略的に実行し、企業の生産性や企業価値を上げる新たな経営手法です。今までは、従業員の健康は自己責任であり、企業として積極的に関与することはありませんでした。ただ、今後深刻な「人手不足問題」などを背景に「既存の社員の健康管理」に注目する経営者が増えています。

就職先に望む勤務条件についてアンケートを実施したところ、就活生は「福利厚生の充実度」「従業員の健康や働き方への配慮」との回答が4割を超え、就活生の親は「従業員の健康や働き方への配慮」「雇用の安定」が4割以上を占める結果が出ています。

健康経営は具体的にどんなことをするの?

まず、今の職場の状態を確認することから始めます。年に一度、健康保険証を保有している従業員を対象に定期健康診断を実施することになっていますが、従業員の受診率は100%となっていますでしょうか。定期健康診断を会社が受診させること、従業員は定期健康診断を受診することが、双方義務化されています。健康診断によって早期に病気の発見につながることは多々あります。この健康診断の受診義務に違反した場合は、会社に50万円以下の罰金が課せられることにもなっています。従業員全員に健康診断の重要性を理解してもらい、定期健康診断受診率を100%にすることを企業全体で取り組むことです。次に、健康診断の結果を活用する。例えば、再検査が必要な従業員には、再検査を勧奨し、医療機関に受診ができるよう業務の調整を行うこと、再検査時間について出勤認定をするなどが考えられます。

次に、健康づくりのための職場環境の整備として、従業員が日常的に使用できるように血圧計や体温計を設置することや、勤務中の飲み物や食事について、糖分やカロリーの高い偏ったものとならないよう、社内に飲み物や食事に関するカロリー表示のポスターを掲示すること、自販機のメニューの希望を言えるのであれば、お茶など糖分の少ないものを選んで陳列してもらうことも取り組み例となります。新型コロナウイルスの影響で外出が減りリモートワークが多くなった企業では、職場でできるエクササイズ(オフィスdeエクササイズ~働き世代の運動生活習慣定着化ガイドブック~:出典 スポーツ東京インフォメーション)を実践していたり、社内の階段を活用し、近いフロアーでは積極的に階段を利用することを推奨するポスター掲示をするところもあります。具体的な取り組み事例をあげましたが、費用をかけずに取り組めることも多くあります。

健康経営のメリット優秀な人材を確保し、長くいきいきと企業で働いてもらえる環境の実現

<企業メリット>
  • リスクマネジメント(事故の予防、労災事故の防止、メンタル不全の予防)
  • 企業価値の向上・イメージUP(社内、社外)→採用時の応募数増加(※健康優良企業への認定制度)
  • 社員1人1人が健康で元気に働く→生産性向上、業績向上、組織の活性化、従業員の活力向上
    →離職者の減少 などがあげられます
<従業員側メリット>
  • 健康経営の取り組みにより自身の健康が増進する
  • 社内でコミュニケーションが増え、より快適な職場環境で働くことができる。
    →仕事に対して意欲的になる

健康優良企業として認定制度

協会けんぽや組合健保で認定が受けられ、社外に公表でき、企業のイメージアップを図れます。健康経営認定制度について、是非トレインまでお問い合わせください。