健康保険証はどうなる?~マイナ保険証への移行対応~
2024.12いよいよ、2024年12月2日から健康保険被保険者証の発行が停止となります。今後、医療機関の受診方法はどのように変わっていくのでしょうか。
厚生労働省は、2024年10月の実績で、オンライン資格確認の利用件数に占めるマイナ保険証の利用率は15.67%と発表しています。マイナ保険証の運用開始から3年が経ちましたが、今なお多くの方が利用していない状況です。マイナ保険証制度へのスムーズな移行を目指し、健康保険証の今後について、詳しくご説明いたします。
1、マイナ保険証を利用するメリット
「マイナ保険証」とは、お手持ちのマイナンバーカードを健康保険証として利用する登録を行ったもののことです。新しいカードが発行されるものではありません。医療機関にマイナンバーカードをご提示いただき、受診します。マイナ保険証を利用すると、下記のようなメリットが生まれます。
- 総合的な診断と適切な処方
- 異なる医療機関を受診しても各人の医療データが共有され、正確な診断を可能とし、重複する投薬なども回避でき、質のよい医療が受けられます。
- 高額な立替払いが不要
- 突然の手術や入院で医療費が高額になった際、窓口負担を軽減するための証書「限度額適用認定証」がなくても、立替払いが不要となります。
- 自己の医療記録の確認
- マイナポータルで自分の特定健診の情報や薬の履歴、受けた治療や医療費を確認できます。
- 医療費控除の自動入力
- マイナポータルとe-Taxを連携すると、医療費控除に使用できる医療費通知情報をマイナポータル経由で取得して、確定申告書に自動入力することができ、領収書の保管・提出する必要がなくなります。
- 健康保険証発行までのタイムラグ短縮
- 就職、転職、退職、引っ越しの度に、健康保険証が変わるということがなくなり、スムーズに医療機関の受診が可能となります。
2、2024年12月2日~2025年12月1日:経過措置期間
経過措置として、現在お持ちの健康保険証が、最大1年(2025年12月1日まで)ご利用いただけます。後期高齢者医療保険加入者の方は有効期限が2025年7月31日までとなりますので、ご注意ください。
2024年12月2日以降に入社の方は、健康保険証は発行されません。マイナ保険証を未作成の方は「資格確認書」が必要ですので、資格取得届(被扶養者の方は扶養異動届)とともに交付申請を行います。協会けんぽの場合、この時点で申請をしない場合でも、資格取得から30~50日後に自動で発行されます。
3、2025年12月2日以降の受診方法
2025年12月2日以降は、「マイナ保険証」か「資格確認書」のどちらかが必要になります。
今年9月頃に送付された「資格情報のお知らせ」では医療機関の受診はできません。オンライン資格確認ができない医療機関の場合に、マイナ保険証と合わせて提示いただき受診します。
以下、協会けんぽの対応を中心にご説明いたします。健康保険組合にご加入の場合は、対応が異なる場合があります。各健康保険組合へお問合せください。
マイナ保険証を未作成の方
「資格確認書」が必要となります。協会けんぽでは、マイナ保険証をお持ちでない方を対象に、健康保険証の有効期限が切れる前に、申請によらず無償で「資格確認書」が発行されます(右図がイメージです)。健康保険組合の場合は、申請方法、様式・発行形態、有効期限(5年以内)が異なります。
マイナンバーカードをお持ちで健康保険証利用未登録の方
マイナ保険証を未作成の方と同様の扱いで、資格確認証が必要となりますが、(1)マイナポータルのサイト、(2)医療機関窓口のカードリーダー、(3)セブン銀行ATM、(4)市区町村の窓口、でいずれかでマイナンバーカードをマイナ保険証として利用可能にする手続きができます。
健康保険証などの返却
健康保険証は、2025年12月1日までの退職者分は返却し、2025年12月2日以降の従業員分の返却は不要です。
資格確認書は、有効期限内であれば返却し、それ以降は返却不要とされ、資格情報のお知らせも、返却不要です。
※内容は、11月25日現在の情報をもとに記載しております。