「日本的雇用・人事の変容に関する調査」の結果について
2017.01公益財団法人日本生産性本部による「第15回日本的雇用・人事の変容に関する調査」の結果が発表されました。
今回は、その内容の一部をお知らせします。
1.「いわゆる正社員」(無限定正社員)について
82.0%が「主流である」と回答。次の内容をその理由に挙げています。
(1)正社員という働き方が今後も主流であるか?
- 人材の柔軟な異動・配置が可能(92.5%)
- 長期的視野に立った人材の育成ができる(76.7%)
逆に問題点として次のような事項が挙げられています。
- 転居を伴う転勤・異動があり生活基盤が安定しにくい(60.9%)
- 残業や休日出勤など長時間労働になりがち(33.8%)
- 異動やジョブローテーションにより仕事と賃金のミスマッチが起こる(31.6%)
(2)正社員の長時間労働についての企業側の評価はどうか?
- 労働時間の長短と人事評価は関係ない(44.4%)
- プラスに評価する傾向がある(24.8%)
自社の正社員の生産性が高いと答えた企業は、「労働時間の長短と評価は関係ない」(43.8%)との回答が一番高く、生産性が低いと答えた企業については「プラスに評価する傾向がある」(43.3%)の回答が一番多くなっています。
(3)正社員の働き方の多様化・柔軟化につながる制度として導入しているものは何か?
- フレックスタイム制度(49.6%)
- 在宅勤務制度(18.8%)
- 専門業務型裁量労働制(17.3%)
- 短時間正社員制度(16.5%)
- 企画業務型裁量労働制(10.5%)
- 朝方勤務(始業時間繰り上げ)(9.8%)
こうした制度を導入している企業のうち90.9%が生産性向上に何かしらの効果ありと回答しており、労働時間や勤務場所が働き方の柔軟性、生産性の向上に寄与していると回答しています。
2.勤務地限定制度について
勤務地限定制度の導入率は30.1%で、これらの企業のうち62.2%が非正規社員を勤務地限定正社員に登用する制度を設けており、実際に該当者もいると回答している。
非正規社員を正社員登用する際に効果的な方法になるものとして考えていることがわかります。
3.賃金制度の導入状況
「業績や成果・貢献度に比べ賃金水準が見合っていない年代は?」の質問には、50代との回答が49.6%と半数を占めています。
仕事・職務内容を賃金に反映する「役割給、職務給」の導入率は高水準で推移しており、管理職では74.4%、非管理職では56.4%でした。
ちなみに従来型の職能給の導入率は、管理職66.9%、非管理職82.7%、年齢・勤続給については、管理職24.8%、非管理職49.6%でした。