勤務間インターバル制度及び制度導入に関する助成金
2017.04今月は、注目されつつある勤務間インターバル制度及び制度導入に関する助成金を解説します。
勤務間インターバル制度について
勤務終了後、次の勤務の開始までの間に一定時間以上の「休息時間」を設けることで、労働者の生活時間や睡眠時間を確保するものです。
例えば、9時から17時までが所定労働時間で、勤務間インターバルを11時間と設定した場合で、深夜0時まで残業したとします。その場合、本来であれば、9時が始業時刻ですが、11時からと始業時刻が繰り下げられます。2時間繰り下げられた分、終業時刻も2時間繰り下げられ、19時までという扱いになります。始業時刻があまりに繰り下げられないように一定時刻以降は残業を禁止させるなど運用に注意が必要です。
職場意識改善助成金(勤務間インターバル導入コース)について
この助成金は、インターバル制度を導入するにあたり、下記の≪対象となる取組み≫を実施した場合に申請が可能です。申請書類についても取り組みの内容や支出の内訳を記載する必要がありますのでご注意ください。
対象事業主
- 中小事業主であること
- 次のアからウのいずれかに該当する事業場を有する事業主であること
- 勤務間インターバルを導入していない事業場
- 既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、対象となる労働者が該当事業場に所属する労働者の半数以下である事業場
- 既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場
- 労働時間等の設定の改善を目的とした労働時間の上限設定に積極的に取り組む意欲があり、かつ成果が期待できる事業主であること
支給対象となる取組
いずれか1つ以上実施してください。
- 労務管理担当者に対する研修
- 労働者に対する研修、周知・啓発
- 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング
- 就業規則・労使協定等の作成・変更(時間外・休日労働に関する規定の整備など)
- 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
- 労務管理用機器の導入・更新
- その他の勤務間インターバル導入のための機器等の導入・更新
支給額
取組の実施に要した経費の一部を、成果目標の達成状況に応じて支給します。実施に要した経費のうち、謝金、旅費、借損料、会議費、雑役務費、印刷製本費、備品費、機械装置等購入費及び委託費を助成対象の経費とし、その合計額に補助率(3/4)を乗じた額を助成します(ただし次の表の上限額を超える場合は、上限額とします)。
休息時間(※) | 新規導入に該当する取組がある場合 | 適用範囲の拡大・時間延長に該当する取組がある場合 |
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9時間~11時間未満 | 40万円 | 20万円 |
11時間以上 | 50万円 | 25万円 |