今年の年末調整のポイント
2018.1110月22日に安倍首相が表明した70歳までの雇用継続について会社で起こりうる課題と今年も年末調整の時期となりましたので、今年の年末調整のポイントについて、お伝えします。
70歳までの雇用継続について ※2020年 法改正案を提出予定
10月22日の未来投資会議で安倍首相が「70歳までの就業機会の確保を図り、高齢者の希望・特性に応じて多様な選択肢を許容する方向で検討したい」と発言されました。背景には、少子高齢化が加速する中、労働力の不足解消と年金支給の財源の安定を図るためのものです。年金の受け取りについても、70歳以上に受取開始年齢を先延ばすことが可能となるよう、制度改正を進めています。
現在の高年齢者に対する法律上の義務
いずれかの対応を義務付けています。
- 65歳までの定年引き上げ
- 再雇用などの65歳までの継続雇用
- 定年制の廃止
70歳までの雇用継続制度導入のメリット
- 会社側
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- 労働力の確保…高齢者でも働ける企業を、アピールして採用が行える。
- 技術の確保、伝承…高齢者の今までの経験を活用し、技術の伝承をじっくり行うことができる。
- 従業員側
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- 生活の安定…長期に安定雇用を確保でき、経済的の安心感を持つことができる。
- 働くことで、生活リズムや健康維持増進につながる。
- 社会とのつながりを長期間持つことができ、生き甲斐が生まれる。
70歳までの雇用継続制度導入のリスク
- 健康面の不安や動作が遅くなる。(体力・視力・聴覚の衰え)
- 体力や判断力の低下
- 処遇の低下に伴いモチベーションが上がらない。
リスクのための対応策
定年再雇用者が出てからその都度個人の労働契約について、1から決めていくとその時の会社の状況や対象者により、労働条件に差が出て、トラブルになりかねません。あらかじめ再雇用の制度設計することが望まれます。
- 70歳までの雇用を前提として給与設計する。
- 職務内容、責任、勤務日数等、再雇用後のタイプを設定し、本人の希望を聴取しながら、運用する。
- 社員の健康状態により、会社の安全配慮義務の観点から更新や労働条件を設定することがあると事前に伝え、労働契約書にも明記する。
今後、高齢者の雇用について、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構より、社内での現状調査の連絡が入る予定です。連絡が入りましたら、弊所までご一報ください。
平成30年年末調整の準備の時期となりました
平成30年分より、年末調整における配偶者控除及び配偶者特別控除の取扱いが変更されました。
様式は3種類となります。(1)「給与所得者の配偶者控除等申告書」 (2)「給与所得者の保険料控除申告書」 (3)「配偶者控除申告書」 の3種類となります。以下(1)~(3)で提出書類をご案内します。
ケース1 | 配偶者あり+配偶者年収201万6千円未満+保険料控除等あり=(1)(2)(3) |
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ケース2 | 配偶者あり+配偶者年収201万6千円未満+保険料控除等なし=(1)(3) |
ケース3 | 配偶者あり+配偶者年収201万6千円以上+保険料控除等あり=(1)(2) |
ケース4 | 配偶者なし+保険料控除等あり=(1)(2) |
ケース5 | 配偶者なし+保険料控除等なし=(1) |