令和5年賃金構造基本統計調査速報が公表されました。
2024.021月24日に厚生労働省から賃金構造基本統計調査の速報が公開となりましたのでご紹介します。この調査結果は、企業の賃金テーブルを作成する際に、多くの企業が同業他社の給与相場として参考にしています。
- 【調査対象期間】
- 2023年6月分として支払われた賃金を分析したものになります。(賞与、期末手当等の特別給与額については、2022年1月から2022年12月までの1年間)賃金額には、残業代などは含まない、所定内給与額となります。
- 【調査範囲】
- 常用労働者5人以上の民間企業、10人以上の公共事業所から78,623事業所を対象に行ったものです。(速報値では、10人以上の民間企業の分析結果となります。)
- 【調査結果のポイント】
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- 一般労働者の平均賃金は、318,300円となり、2022年にと比べて2.1%増となっています。これは、22年に続いて過去最高の増加率となっています。一因としては、昨今の物価高の影響であるといわれていますが、社会保険料(健康保険料・介護保険料)の負担が増えたりする影響でなかなか実質賃金は増加していません。毎年、最低賃金も上げ幅増となっており、企業としては、給与について定期的に現在の給与テーブルが世間相場にマッチしているのか確認が必要です。
- 年齢・学歴別の調査結果(下表第2表)を見ると、34歳以下の若い年齢層での増加率が目立っています。特に25歳から29歳の大学卒者は2.8%、高校卒は、5.5%前年よりも増加しています。特に人材確保が難しい中、若い優秀な人材確保のため、初任給をはじめ若手の賃金UPを各社対応したものと考えられます。
学歴計 | 高校 | 大学 | |||||||
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令和5年 (千円) |
令和4年 (千円) |
対前年 増減率 (%) |
令和5年 (千円) |
令和4年 (千円) |
対前年 増減率 (%) |
令和5年 (千円) |
令和4年 (千円) |
対前年 増減率 (%) |
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年齢計 | 318.3 | 311.8 | 2.1 | 281.8 | 273.8 | 2.9 | 369.6 | 362.8 | 1.9 |
〜19歳 | 190.0 | 184.2 | 3.1 | 191.5 | 184.6 | 3.7 | - | - | - |
20〜24 | 224.5 | 218.5 | 2.7 | 216.1 | 205.2 | 5.3 | 239.6 | 233.6 | 2.6 |
25〜29 | 258.2 | 251.2 | 2.8 | 240.6 | 228.1 | 5.5 | 272.6 | 265.2 | 2.8 |
30〜34 | 286.4 | 281.0 | 1.9 | 258.4 | 248.5 | 4.0 | 310.0 | 304.9 | 1.7 |
35〜39 | 314.6 | 312.5 | 0.7 | 276.6 | 267.6 | 3.4 | 354.1 | 353.9 | 0.1 |
40〜44 | 338.7 | 333.7 | 1.5 | 293.3 | 287.5 | 2.0 | 394.6 | 390.7 | 1.0 |
45〜49 | 355.5 | 349.2 | 1.8 | 310.0 | 303.6 | 2.1 | 430.9 | 429.4 | 0.3 |
50〜54 | 371.1 | 364.7 | 1.8 | 319.7 | 310.6 | 2.9 | 473.8 | 474.9 | -0.2 |
55〜59 | 376.4 | 370.0 | 1.7 | 322.1 | 314.3 | 2.5 | 499.2 | 491.1 | 1.6 |
60〜64 | 305.6 | 295.6 | 3.4 | 265.6 | 258.2 | 2.9 | 383.3 | 370.2 | 3.5 |
65〜69 | 270.1 | 257.6 | 4.9 | 236.0 | 227.9 | 3.6 | 369.2 | 331.0 | 11.5 |
70〜 | 255.4 | 238.1 | 7.3 | 226.7 | 216.1 | 4.9 | 372.7 | 337.2 | 10.5 |
注:学歴計には「中学」、「専門学校」、「高専・短大」、「大学院」、「不明」を含む。
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査速報より
今回、厚生労働省で初めてこの速報が公表されました。今年3月に詳細版が公開となる予定です。
今後の人事労務だよりで取り上げます。