育児・介護休業法、その他育児関連法改正のおしらせ
2024.10第213回通常国会におきまして「育児休業・介護休業等育児又は家族の介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律」が成立し、令和6年5月31日に公布されました。今回は、このうちの一部の改正内容について、そのポイントをお知らせします。
1.3歳から小学校就学前までの子を養育する従業員の柔軟な働き方を実現するための措置の義務化(令和6年5月31日から1年6か月以内で政令の定める日に施行)
事業主は、3歳から小学校就学前までの子を養育する従業員に対し、仕事と子の養育の両立のため(1)始業時刻等の変更、(2)テレワーク、(3)短時間勤務、(4)新たな休暇の付与、(5)保育施設の設置運営の中から2つ以上の措置を選択し講じること、従業員への当該措置の個別周知、面接等による意向確認が義務化されます。
2.所定労働時間の制限(残業の免除)の対象となる従業員の範囲の拡大(令和7年4月1日施行)
所定労働時間の制限の対象となる従業員の範囲が、3歳未満の子を養育する者から小学校就学前までの子を養育する者に拡大されます。
3.育児のためのテレワーク導入の努力義務化(令和7年4月1日施行)
3歳未満の子を養育する従業員に対し、育児のためのテレワーク導入が努力義務とされます。また時短勤務が困難だとして労使協定で適用を除外された従業員に対し、その代替措置にテレワークが追加されました。
4.子の看護休暇の対象者、利用目的等の見直し ⇒「子の看護等休暇へ」(令和7年4月1日施行)
子の看護休暇の対象が、小学校就学前までの子を養育する従業員から小学校3年生終了までの子を養育する従業員に拡大され、休暇の利用目的に子の病気・ケガの療養、予防接種、健康診断のほか感染症に伴う学級閉鎖、子の入園式・卒園式、入学式が追加されました。労使協定の締結により勤続6か月未満の従業員の子の看護休暇の適用の除外が廃止されます。
5.仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮等の義務化(公布日から1年6か月以内で政令の定める日に施行)
妊娠・出産時のほか、子が3歳になる前に仕事と育児の両立に関し、個別の意向聴取および就業条件に関する意向への配慮が事業主に義務付けられます。
6.育児休業取得状況の公表義務の対象となる企業の拡大(令和7年4月1日施行)
育児休業取得状況の公表義務企業が、常用労働者1000超企業から300人超企業に拡大されます。
7.家族の介護が必要な従業員への制度周知、意向確認が義務化(令和7年4月1日施行)
家族の介護に直面した旨を申し出た従業員に対し、介護休業や介護両立支援制度についての個別周知を行うとともに制度利用についての意向確認のための面談の実施が事業主に義務付けられます。
8.仕事と介護の両立支援制度に関する早期の情報提供が義務化(令和7年4月1日施行)
40歳になる従業員への介護休業や介護両立支援に関する制度の周知実施が事業主に義務付けられます。
9.仕事と介護の両立支援制度の利用しやすい環境整備が義務化(令和7年4月1日施行)
介護休業や介護両立支援制度の利用申出が円滑に行われるために、研修会の実施、相談体制の整備等の措置を講ずることが事業主に義務付けられます。
10.家族の介護が必要従業員への制度周知、意向確認が義務化(令和7年4月1日施行)
家族の介護を行う従業員に対し、事業主の行う措置にテレワークの導入が努力義務となりました。
11.介護休暇の対象者の見直し(令和7年4月1日施行)
労使協定の締結により勤続6か月未満の従業員の介護休暇の適用の除外が廃止されます。